インターネットによってありとあらゆる情報が接続されている現在、物理的な窃盗や強盗に加えて、インターネット犯罪への対策を強化しなければなりません。
最も簡単に誰でもスグに実現できるサイバーセキュリティは、インターネットに接続している全てのデバイスを捨てることです。インターネットから自分自身を遮断すれば、あらゆるインターネット犯罪から身を守ることができます。
ただし、ベジタリアンやビーガンなどの菜食主義者が日常的な食事に困っているように、インターネットを遮断した生活を送ることは決して容易ではありません。決して世俗を離れて仙人のような暮らしをすることがサイバーセキュリティの目的ではありませんので、もう少し現実的な手段を探すことになります。
CAPLARITY.GEのサイバーセキュリティ講座では、インターネットを遮断することなく、日常的な不都合を最小限に抑えながら、個人が実践可能な方法だけを用いて、世界を移動し続ける”永遠の旅行者”が安全なインターネット利用を実現できる環境について解説していきます。
第1回のテーマは「個人がサイバー攻撃を受けて、何が盗まれるのか?」です。
個人がサイバー攻撃を受けて、何を盗まれるのか?
インターネットを経由した犯罪が増加しているものの、個人を標的としたサイバー攻撃について具体的なリスクを実感する機会は、それほど多くありません。だからこそ、サイバーセキュリティへの関心は高まることなく、個人は常にインターネット犯罪の危険にさらされています。
個人情報なんて盗まれたところで特に生活に支障はないという無防備な考えでインターネットを利用することは、世界で最も殺人件数の多いブラジルの街を深夜にひとりで歩き回るようなものです。
盗まれて困るものは、やはり”お金”
2019年7月にサービスの提供が開始されたセブンペイは、セキュリティ対策の不備によって僅か3日程度で休止状態となり、そのままサービス廃止に追い込まれました。キャッシュレス化が進むことによって、今後はサイバーセキュリティについて考える機会が増えるかもしれません。
個人に対するインターネット犯罪で盗まれるものと言えば、やはりお金です。インターネットに接続されている個人のお金に関するものとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 銀行口座のログイン情報
- クレジットカード情報
- キャッシュレスアプリのログイン情報
- 仮想通貨のシークレットキー
これらの情報を盗まれないようにすることが、サイバーセキュリティの最大の目的のひとつということになります。
どうやってお金に関する情報が盗まれるのか
お金が盗まれたら困るというのは、誰しもが持っている共通認識だと思います。しかし、いったいどのようにお金に関する情報は盗まれてしまうのでしょうか。
自宅が強盗に入られないようにするには高い壁を設置するように、ハイジャックを防止するためには危険物を機内に持ち込ませないように、それぞれの犯罪の手口を理解した上での対策が必要になります。
そこで、まずはどのような手口によってお金に関する情報が盗まれるのかについて確認しておきましょう。銀行口座のログイン情報を例として犯罪の手口をご紹介します。
